虫歯タイプと歯周病タイプ。あなたはどっち??
こんにちは、キーデンタルクリニック歯科医師の若松慶太です。コロナ禍の今日、お口のメインテナンスはしっかり行えているでしょうか?今回は虫歯になりやすい人、歯周病になりやすい人の特徴とその対策について説明していきたいと思います。
虫歯タイプの方とは
まず虫歯になりやすい方について説明します。虫歯になるには三つの要因があります。
一つは歯そのものの質によるものです。遺伝的な要因やカルシウムやミネラルの欠乏で虫歯になりやすい歯になってしまうことがあります。
次に細菌という要因があります。虫歯菌として代表的なものにミュータンス菌があげられますが、これは子供のときには存在せず、大人からキスや食事などにより移るといわれています。そして大人になると90%は感染していることが分かっています。この菌は歯の表面に付着するのですが、ばい菌の膜をつくり、容易に除去できないのが厄介なところです。虫歯タイプの方は口の中の菌のうち、こういった虫歯菌が多い方が多いです。
3つ目が糖分です。先ほど説明した菌は糖分を分解し、酸を生み出します。その酸により歯の表層のエナメル質が溶けることで虫歯は進行します。甘いものが好きだったり、間食が多い方は気を付けましょう。
さらに歯並びの異常や咬み合わせの異常や咬む力が極端に強い方、歯ぎしりをする方などは歯にひびなどが起こりやすく、虫歯が進行しやすくなってしまいますので、4つ目の要因といえるでしょう。
虫歯が多い人はこれらどれかのバランスが崩れていることが多いので、歯科医院でチェックしてもらいましょう。
虫歯対策はどうしたらいいの???
ではどのように対策していけばよいのでしょうか?
まず歯の質をあげることです。元々の性質はもちろんありますが近年では高濃度のフッ素配合の歯磨剤やミネラルを含有したケアグッズもあります。それらは歯の再石灰化(一度溶けた部分が再度硬く、修復されること)を促したりするため、日々のケアを徹底すれば虫歯に強い歯を手に入れられます。
次に虫歯菌対策です。残念ながら一度感染してしまった菌を完全に0にするのは不可能です。限りなく減らすしかないのですがここで重要なのはもちろん日々のブラッシングです。虫歯のよくできる場所は咬む部分の溝、歯と歯茎の境の部分(特に表側)、歯と歯の間です。歯と歯の間に関しては歯ブラシだけでは不十分なのでデンタルフロスなどを併用するのが有効です。ですが日々のケアのみではばい菌の膜を完全に除去するのは困難なので歯科医院で定期的に専門的なクリーニングを受けるのがベストです。
糖分に関しては全く甘いものを食べないというのは難しいと思いますが、だらだら長い時間食べず、時間を決めるなどする(口の中に糖分が長く停滞すればするほど口の中は酸性環境になるため)、嗜好品を代用甘味料(キシリトールなど)のものにかえるなどが有効です。
最後に歯並びや咬み合わせに関しては、矯正治療を行ったり、咬筋ボトックスでかみしめる力を弱めたり、ナイトガードの装着などを行い、歯に過度な力がかかるのを防ぎましょう。
歯周病タイプの方とは
次に歯周病タイプの方です。歯周病菌が口の中に多く潜んでいる方は歯周病になりやすいと言えます。これはなかなか自分では気づけないですが、歯科医院で顕微鏡を用いて確認することができます。歯周病はとても怖い病気で、30歳以上の方の8割近くが罹患しているといわれる病気であり、歯を失う原因で最も多い病気です。さらに無症状で進行していくため“沈黙の病気”とも呼ばれます。歯周病は歯ではなく、歯の周りの組織にダメージを与えます。歯周病菌は酸素の少ないところを好み,歯とお口の中では歯と歯茎の間の歯周ポケットという場所に多く潜みます。歯周ポケットにプラーク(細菌の塊)がたまり続けると歯茎が炎症を起こし、それが進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされます。そして気づいたときには歯がグラグラになってしまい、抜かざるを得なかったり、延命処置で精いっぱいになることが多いです。特に虫歯にあまりなったことがない方は歯医者を疎かにしがちなのでいつのまにか歯周病が進行し、手遅れになってしまうことはよくあるのです。また歯周病においても歯並び、咬み合わせの力は密接に関与します。歯並びが悪いとどうしても磨き残しが多くなりますし、強い咬み合わせの力は歯周病を急激に進行させます。
歯周病対策はどうするの??
では歯周病対策はどうすればよいのでしょうか??
やはり一番大事なのは日頃のケアです。歯磨きがしっかりできていれば歯周病菌の増殖を抑えることができます。歯と歯茎の際や歯と歯の間を特にしっかり磨くようにしてフロスも活用することをオススメします。そして3ヶ月に一回は歯科医院で健診を受け、現在の歯茎の状態や磨けていない箇所のチェックなどを受け、歯石の掃除やクリーニングをしてもらうようにしましょう。ここで大事なのが特に痛みがないからと言って通うのをやめないことです。歯周病は一度罹患してしまうと完全に治癒することが非常に少ない病気なのでしっかりメインテナンスをして予防しましょう。歯並び、咬み合わせの力は虫歯の項目で説明したとおりになります。また喫煙も歯周病を進行させる要因になるので、気をつけましょう。
確かな技術で納得の治療を
ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。