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口腔がんについて Part2

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口腔がんはどんな色・形をしているのか? 
口腔がんではないけれど、、、。
注意が必要な口腔粘膜疾患。

 

口腔粘膜は5色に分類することができる!

第1回では、口腔がんの特徴、発がんメカニズムについて説明させて頂きました。今回は、口腔がんの見た目の特徴と口腔粘膜にできる口腔がん以外の疾患を説明いたします。口腔粘膜疾患のなかには放っておくとがんになる可能性がある病気があります。これらを“前がん病変”または“口腔潜在性悪性疾患”と言います。白い斑状の「白板症」と赤くただれた「紅板症」があります。前がん病変に加えて様々な口腔粘膜疾患を解説していきます。
「色」というのは、特定の波長域の可視光を選択的に吸収し、色覚を起こさせる化合物があるから様々に見えるのです。正常な口腔粘膜はピンク色をしています。その理由は粘膜固有層の血管(赤血球のヘモグロビン)を見ているためです。そして口腔粘膜は正常の「ピンク」に加え「白」、「赤」、「黒」、「黄」の合計5つに分類することが出来ます。
口腔粘膜疾患を4色に分けて代表的な疾患を列挙していきます。(Fig. 3)
 
・白色病変:上皮の異形成が生じている場合、過角化や有棘層肥厚により粘膜面に当たった可視光線が乱反射し、上皮化の毛細血管が透過しないため白色病変として観察されます。代表的な疾患には白板症、口腔扁平苔癬、口腔カンジダ症などがあります。
・赤色病変:紅斑は盛り上がりのない赤い色の変化のことで、多くは細血管の炎症性充血によるものです。代表的な疾患には紅板症、正中菱形舌炎、多形滲出性紅斑などがあります。
・黒色病変:色素沈着、メラニン色素の沈着による黒褐色のびまん性の変化です。代表的な疾患には色素性母斑(皮膚におけるほくろ)、外来性色素沈着(メタルタトゥー)、黒毛舌がありますが、悪性黒色腫の場合があるので要注意です。また、Addison病やPeutz-Jeghers症候群などの疾患は口腔内に色素性沈着を認める全身疾患もあります。
・黄色病変:生体にはリポクローム、カロチノイド、ルテインがあり、これらは脂肪に溶けて存在することが多く、粘膜を通して黄色に見えます。代表的な疾患には、疣贅性黄色腫、脂肪腫などの病変があります。また、病的なものではありませんが頬粘膜にフォーダイス斑(皮脂腺)といわれる黄色の斑点が見つかることがあります。
 

口腔がんに関連する疾患には『白板症』と『紅板症』がある

1) 白板症 leukoplakia
他のいかなる疾患としても特徴づけられない白色病変(WHO)と定義され、こすってもはがれない白色の病変をいいます。原因は喫煙やアルコールによる刺激、義歯などによる慢性の機械的刺激、ビタミンAやBの不足、加齢や体質なども関係するといわれています。白板症は比較的頻度も高く無症状で発見されることもあります。長期経過後に3~16%ががん化するといわれています。特に舌にできたもの、白さが不均一だったり大きいものはがん化のリスクが高いといわれています。びらんをともなうこともあり、ものが当たると痛かったり、食べ物がしみたりすることがあります。治療は経過観察か切除があり、症状がある白板症は積極的に切除を行います。(Fig. 4)
その他の白色病変では口腔カンジダ症がありますが、この疾患は主にカンジダ・アルビカンスという真菌による感染症です。急性型と慢性型があり急性型である偽膜性カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着していますが、ガーゼなどでぬぐえるのが特徴です。これが白板症との一番の違いです。
 
2) 紅板症 erythroplasia
臨床的にも病理学的にも特徴づけられない赤いビロード斑状を示す病変(WHO) で、紅色肥厚症ともいわれ、舌、歯肉、その他の口腔粘膜に発生します。鮮紅色でビロード状、表面は平滑な病変です。50~60%が癌化し、がん化する頻度が高いため、基本的に治療(切除)します。(Fig.5)
 
 

口腔がんの見た目はどんな感じ?

腫瘍の見た目の特徴としては,臨床視診型といわれる分類があります。外向性腫瘍(外側に発症していくタイプ)を白斑型,乳頭型,肉芽型,内向性腫瘍(内側に発症していくタイプ)をびらん型,潰瘍型,腫瘤硬結型と様々な色・形態が存在します。それぞれの特徴と鑑別疾患を解説していきます。
【外向性腫瘍】
・白斑型:周囲組織より僅かに隆起した白板で中央部または辺縁部にびらんまたは潰瘍を伴うことがある。びらんを伴わないものは無症状なことが多い。鑑別疾患:白板症、口腔扁平苔癬、ニコチン性口内炎、口腔カンジダ症など
・乳頭型:カリフラワー様の隆起(プツプツした隆起)を示し、表面は白く角化している。痛みなどの自覚症状は少ない。(Fig. 6) 鑑別疾患:乳頭腫
・肉芽型:表面が肉芽状を呈し、盛り上がったもので腫瘍組織自体が露出している。痛む、触れると出血するなどの症状を呈することが多い。鑑別疾患:抜歯後の不良肉芽、炎症性腫瘤、エプーリスなど
 
【内向性発育】
・びらん型:境界不明瞭(病気と正常な組織の境目が分かりずらい)なびらん、あるいは局所的な粘膜剥離として現れるもの。しみる、出血するなどの症状を呈する。(Fig. 7)鑑別疾患:口腔扁平苔癬(びらん型)、剥離性歯肉炎など

・潰瘍型:口内炎のような見た目を呈する。一般的な口内炎との違いは、出血しやすく、周囲に硬さを触知することがあげられる。直下に骨がある部位では平坦な浅い潰瘍を、軟組織の豊富な部位では時としてやや深めの潰瘍となる。比較的初期より触ると痛みがある。
鑑別疾患: 褥創性潰瘍、梅毒性潰瘍、結核性潰瘍、アフタ性口内炎など

・腫瘤硬結型:膨隆がみられるので、粘膜の表面に潰瘍など目立った変化が見られないのに、粘膜下に硬結を触知するもの。鑑別疾患:炎症性腫脹(慢性炎症)、線維腫などの良性腫瘍など
 
 
今回は口腔がんの見た目と注意を要する口腔粘膜疾患の解説をしました。次回は口腔内のセルフチェックの実際のやり方に関して説明させていただきます。

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