こんにちは。キーデンタルクリニック、歯科医師の若松慶太です。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?今は全員が政府の方針に従い、コロナウイルス対策を行うことに徹して、早くこの重大な局面を乗り越えてまた外で楽しく遊んだり、お酒を飲んだりできる世の中に戻って欲しいと願うばかりです。
自宅で過ごすばかりでストレスが溜まり、夜間の食いしばりや歯ぎしりを自覚している方、また指摘された方はいないでしょうか?今回はそういった方へのアドバイス、対策を紹介させて頂ければと思います。
まずはセルフチェックをしよう
まずは自分が歯ぎしりしているかをチェックするところから始めましょう!方法は大きく3つあります。
1.周りの方にチェックしてもらう
一番簡易的な方法として、家族などにチェックしてもらうという方法があります。夜間に歯ぎしりしている人はギリギリと大きな音を立てているので、そういった症状がないか聞いてみるのがよいでしょう。
2.アプリでチェック
2つ目に、スマートフォンなどで睡眠時にいびきや寝言を記録するアプリがあります。歯ぎしりで大きな音をたてていれば、記録されることがあるのでチェックしてみましょう。
3.いくつあてはまるかチェック
最後の方法は歯ぎしりしている方に多い項目をあげるので、それに自分がいくつ当てはまるかチェックしていきましょう。3つ以上当てはまる方は歯ぎしりしている可能性が高いので、歯医者に行って対策するのがいいと思われます。
チェックリスト
・顎や口周りの筋肉が痛いことがある(特に朝起きたとき)
・慢性的な頭痛や肩こりがある
・ストレスがたまりやすい環境にある
・寝ている時以外にもストレスがたまったときなどに気づくと上下の歯が当たっていることがある
・以前に比べ歯がすり減った感じがある。
・顎を左右に動かすと上下で当たる部分が平らになっている。
・奥歯の表側の歯茎との境い目の部分が削れている、またはえぐれている感じがある
・虫歯はないと言われたのに歯がしみる
・詰め物がよくとれる
・頬の粘膜に噛んだあとのような白い線がみられる
・下顎の骨がベロで触ると大きく出っ張っているところがある
いかがだったでしょうか?もし歯ぎしりをしているようであれば、その対策が必要になってきますので、次は原因と対策を考えてみましょう。
なぜ歯ぎしりをするの?
歯ぎしりは多因子性に起こることが知られています。つまり様々な原因が重なって起こるということです。その中でストレスと因果関係が深いと言われています。
歯ぎしりのメカニズムとして、ほとんどが浅いノンレム睡眠中に起こることが分かっています。ストレスを感じやすい人はこの浅い眠りになることが多いため因果関係があるということです。しかし歯ぎしりをすることでストレスを軽減しているということも考えられており、高齢者に比べ、子供のほうが歯ぎしりをする人が多いことなど、詳しいことまでは分かってないことが多く、様々な意見があるのが現状です。
対策
歯ぎしりがストレスと関係が深いことからストレスを減らせれば、歯ぎしりはなくなる可能性はあります。しかしそれは環境など様々な要因が複合的に重なって起こるためなかなか難しいので、歯ぎしりをしていると考えた上で対策を行うことが重要になってきます。これからその方法をいくつかご紹介します。
1.ナイトガード
まずはナイトガードをつけるという方法です。これは就寝前に上顎の歯につける、歯ぎしりから歯を守るために用いるプラスチックのマウスピースのようなものになります。一般的には歯科医院で型取りをして作るものになります。
メリットとしては、
・歯のすり減りなどの予防
・スムーズな動きを促すことによる顎や筋への負担軽減
・保険内でも作れるため比較的安価な点
・作りさえすればずっと使える点
などがあります。
ただしデメリットとして、違和感があって寝づらいことなどがあるので、そういった場合は柔らかいタイプのマウスピースに変更するなど歯科医院で相談してみるのがよいでしょう。
2.ボトックス
咬筋にボツリヌス菌から抽出されるタンパク質の一種(ボトックス)を注入する方法です。
夜間に歯ぎしりや食いしばりをしていると、普段の10倍以上の力が加わることがあることが分かっています。その際に強い力を発揮しているのがこの咬筋になります。ボトックス治療は、ボツリヌス菌の毒素により筋肉が萎縮することで咬筋の力を徐々に減弱させる方法です。通常は一週間程度で効果が認められ、4ヶ月程度持続します。
メリットとしては、
・特に装置がつくわけではないので違和感がない
・副作用的に顔のエラをつくる筋の力が弱まるため、小顔効果も期待できる
ということが挙げられます。
デメリットとして
・効果が減弱するため数ヶ月に一度ボトックス注射が必要になる
・硬いものが噛みづらくなる
・保険外のためコストがかかる
などがあげられます。
3.矯正治療
かみ合わせが悪いことで歯ぎしりが起こるという論調は今では否定する声が多くなっています。しかし歯ぎしりと不正咬合が合わさると歯や顎への負担はより大きくなります。正常なかみ合わせの人が歯ぎしりをしている場合、歯が全体的にすり減ることで負担を分散しますが、かみ合わせが悪いと全体的に分散されず、大きな負担がかかる歯が欠けたり、折れたりするリスクを伴います。また顎の運動にも異常が生じやすくなることで、顎関節の異常も引き起こしやすくなります。そのため歯軋りを自覚している人は矯正をするメリットが大いにあると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は歯ぎしりはストレスと密接に関わっていることやその対策などを紹介させていただきました。歯ぎしりを完全になくすことは難しいので、歯ぎしりが疑われる方はまずは歯医者に行って診てもらってください。そこで適切な対策を一緒に考えていくのがベストだと思います。是非参考にしてみてください。
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