こんにちは、坂爪接骨院(www.sakatsume-tr.jp)の柔道整復師、鍼灸師、坂爪慶です。
「噛みあわせが悪いと腰痛になるって本当?!」で筋膜リリースのお話しをしましたが、筋膜リリースって結局どうするの?そもそも筋膜って何?筋膜ってどこにあるの?という疑問をお持ちの方も多いと思います。今メディア等で取り上げられる機会が多く、TV、雑誌等で紹介された方法を自己流でされている方も多いでしょう。そこで今回は筋膜自体の説明とともに、なぜセルフ筋膜リリースが効果的なのかを説明していきます。
・筋膜とは?
筋膜は読んで字のごとく筋肉を含み全身の組織を包む膜ですが筋肉の外側を包むものや、筋繊維を包むもの、内臓(腎臓、副腎)を総称して筋膜と呼ばれています。また、筋肉のように筋膜は独立したものではなく、骨・筋肉・血管・神経・内臓などあらゆる組織をつないで身体を支えています。特に浅筋膜、深筋膜は全身を覆うボディスーツ的な役割を担い(これを筋膜連結と呼びます)、身体構造上重要な役割を果たしており、そのため「第2の骨格」とも呼ばれています。筋肉が動く(収縮する)という事は筋膜同士が滑って行われていることもわかっています。
・痛み・コリと筋膜の関係は?
浅筋膜は編み方のゆるいセーターのような形状の為、本来いろいろな方向に動くことができます。それが、不良姿勢・生活動作のクセ・ストレスによる食いしばりなど様々な原因によって、ねじれ、しこりつまり癒着が生じ、動きが悪くなることによって筋膜同士が滑らなくなり、痛み・コリを感じることになります。この筋膜の癒着部分をトリガーポイントと呼び、トリガーポイントは別の場所に痛みを引き起こします。痛みの引き金(トリガー)という意味です。一か所の異常が、筋膜独特の筋膜連結構造により他の場所に波及することもしばしばです。そのため痛みが感じる所はもちろん、筋膜連結構造に従い他の場所もリリースする必要があるのです。
筋膜連結を理解するためには、トーマス・マイヤース(Thomas Myers)が提唱するアナトミートレインという考え方を用いると簡単です。
彼は筋膜経線と呼ばれるラインが全身に12本あると考えており、例えば腰に痛みがあっても下半身からお尻、背中の緊張が腰痛に影響している可能性があるとしています。
そのため腰痛であっても、腰以外の筋膜リリースが必要となることがあります。
・セルフ筋膜リリースの効果的な方法は?
筋膜同士の癒着した状態を変化させることが筋膜リリースと言えます。
癒着を改善するためには、筋膜間のヒアルロン酸で構成される潤滑液の循環を良くする必要があります。前回お話しした翼突筋への注射も、筋膜へ注射する事により筋膜間の癒着を改善させ筋膜連結から全身状態の改善が図れると考えられています。
例えば、フォームローラー(ストレッチスポール)を用いて太もも裏をご自分で筋膜リリースする際に一番重要なのは、痛みのある周囲を軽く圧迫した状態のままずらす様に動かす。軽く圧迫してずらすことが重要です。さらに筋膜の特徴
・広範囲を連結している。
・多方向に動くことができる。
ということから
・背中~ふくらはぎにかけて満遍なく行う。
・縦方向だけでなく、横、斜め方向も行う。
この2点を追加することによって、よってより効果的な筋膜リリースが行えると思います。
・筋膜リリースの際の注意
痛い所のみを強い力で押し付けグリグリすることは、筋肉や筋膜組織に傷をつける可能性があります。強い刺激で行うことは逆効果になることもあるので注意が必要です。
行う際は呼吸を止めずに行いましょう、また骨粗しょう症や高血圧などで通院されている方も行ってはいけないこともあります。
できれば、専門的に行なっているクリニックなどで相談し、専門家の意見を聞きながら行うようにしてください。
・まとめ
筋膜リリースという言葉もかなり世の中に広まってきましたが、筋膜の特徴を理解してから行うことで、より効果的な筋膜リリースが行うことができます。
皆さんも是非一度お試しください。
プロフィール
坂爪 慶
坂爪整骨院副院長
坂爪鍼灸治療院院長
柔道整復師、鍼灸師
坂爪接骨院 https://www.sakatsume-tr.jp
1972年生まれ
大学卒業後、大阪市内の整形外科に勤務
その後、大阪市内の鍼灸整骨院にて院長を務め
平成24年帰郷、坂爪整骨院副院長就任
その後坂爪鍼灸治療院開院
西洋医学的な身体の見方とともに、東洋医学の要素を取り入れた
全人的な施術を提案している。
ホッケー女子日本代表トレーナーとして2014年アジア大会に帯同、
国際大会だけでなく高校、大学、各種競技のトレーナー経験多数
確かな技術で納得の治療を
ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。