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原因が分からない歯の痛み。歯科心身症かもしれません

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 明らかな虫歯などの原因はなさそうなのに歯がしくしくと痛む、そのようなときはもしかしたら「歯科心身症」かもしれません。歯や歯茎に悪い部分がないのに痛みが続く「歯科心身症」について説明いたします。

歯科心身症とは

 歯科心身症とは、歯に問題があるわけではないのに歯が痛む病気のことです。実際に痛みの原因があるわけではなく、精神的なことが痛みとなって表れていますので、「心身症」と言うのです。歯科心身症以外にも、歯科恐怖症や口腔心身症と呼ぶことがあります。

歯科心身症の診断基準

 歯や歯茎、口腔内に強い痛みを感じているにも関わらず、歯科医院で治療するべき点が見つからない場合、歯科心身症だと診断されます。歯科医院によっては「気のせいですよ」と軽く流されることもありますし、「内科で詳しく検査をしてみてください」と他の診療科を勧められることもありますし、「歯科心身症だと思われますので、心療内科や心療歯科で診てもらってください」とアドバイスされることもあります。

心療歯科とは何を行う診療科?

 近年増えてきた心の病に対応する心療内科。総合病院だけでなくクリニックとしても心療内科の看板を掲げているところが増えてきているため、目にする機会も多いのではないでしょうか。しかし、心療歯科という言葉を目にする機会はあまり多くはありませんよね。

 心療歯科とは、心の病によって歯科的な症状が出た場合に対応する診療科です。とは言うものの「心療歯科」として看板を掲げることは医療法で認められていませんので、一般的な歯科医院の診療科目として「心療歯科」や「カウンセリング」、「心理療法」などの言葉が書かれていれば、心療歯科であると判断することができます。歯科心身症が疑われるときは、診療科目に注目して歯科医院を選びましょう。

歯科心身症の治療

 では、歯科心身症だと診断されたときは、どのように治療を進めていくのでしょうか。具体的な手順を見ていきましょう。

1.歯と歯茎の診察とクリーニング

 まず、歯や歯茎に異常がないか、丁寧に診察を行います。痛みの原因は虫歯や歯周病、顎、顔面だけではありません。歯と歯の間に食べ物のカスが詰まって痛みを引き起こしていることなどもありますので、丁寧に診察し、歯のクリーニングを行います。

 歯のクリーニングを行っても歯の痛みが解消されない場合には、歯科心身症の疑いがあると判断されます。受診した歯科医院が心療歯科的な治療を実施している場合には、そのまま問診へと進みます。心療的な治療を行っていない場合には、心療歯科を扱う他の歯科医院に行きます。

2.問診

 歯科的治療が必要ないということが分かったら、心療歯科的な問診を開始します。痛みがいつからあるのか、どのようなときに痛みがあるのか、そして、歯以外の痛みや気になる症状などについて詳しく話します。このように医師と話をすることで、歯科領域以外の身体的疾病から来る痛みなのか、精神的または社会的な事柄に起因する痛みなのかを判断していきます。

 ペーパー形式や問診形式の心理テストなどを行うこともあります。痛みを訴える患者の精神状態を把握するために、いくつかの手法を用いて、可能性を絞り込んでいきます。

3.心理療法と薬物療法

 歯科心身症であるということが確定されたら、カウンセリングを用いた心理療法と投薬治療による薬物療法を実施していきます。症状が軽微だと判断されるときは、心理療法だけで治療を進めていきます。

心理療法で痛みの原因を理解する

 心理療法は、主に痛みの原因を患者自身が理解することを目指します。歯科治療に対する不安から架空の痛みが生じて現実の痛みに変じたケースもありますし、歯科以外の身体的な不安から痛みが生じて歯科領域の痛みに変じるケースもあります。いずれの場合でも、痛みの理由を患者自身が理解することで、痛みが実際に起こっていないことに気付くことができるようになります。

薬物療法で不安な気持ちを取り除く

 薬物療法は、主に向精神薬を用います。不安が高じて痛みになっている方も多くいますので、向精神薬で状況の変化を目指すのです。1ヶ月ほどの投与で痛みがなくなることもありますし、痛みの解消までに1年ほどかかってしまうこともあります。用法を誤ると問題が大きくなることもありますので、指示に従って正しく服用するようにしましょう。

4.他科の診療と治療の終了

 痛みが改善された場合は、適切なタイミングで治療を終了します。また、治療を行う間に身体的・精神的な疾患が見つかった場合は、内科や精神科などの他の診療科への連携を取ります。

歯科心身症の症状

 歯科心身症は、歯や歯茎の痛みとしてだけ現れるのではありません。歯科心身症と診断される症状をいくつか紹介します。

口臭恐怖症

 近年、口臭を気にする人が増えてきました。口臭専門の外来が増えているだけでなく、口臭を効果的に取り除くデンタルリンス等のホームケアグッズも増えてきました。特別に口臭が強いわけではないのに「口臭がきついのかも」と何度も自分の息をチェックする人や、「口臭が強いと思われたらどうしよう」と他人と話すことが億劫になる人、マスクを外せなくなってしまう人も多くいます。

噛み合わせが異常だと感じる

 特に噛み合わせに問題があるわけではないのに、「噛み合わせが悪い」「歯並びが気になる」と過剰に気にする人もいます。気になる余り、どのように噛み合わせて良いか分からなくなり、何度も顎を動かしたり、歯をこすり合わせたりすることもあります。実際に噛み合わせが悪い場合もありますが、気のせいであることもありますので、医師に詳しく検査してもらいましょう。

歯科治療に対する恐怖症

 歯科治療で怖い思いをした人や歯科治療特有の金属の音が苦手な人、金属の棒を口に入れることが怖い人など、歯科治療に対する恐怖のあまり歯に痛みが出てしまう人もいます。痛みや恐怖を軽減することに力を入れている歯科医院も多くありますので、そのような歯科医院を経験することで、歯科治療に対する恐怖症を克服することもできるでしょう。

歯ぎしり

 夜中に歯ぎしりを激しくしている場合、あまりにも強い力を歯全体にかけているために、起きたときに歯に痛みを覚えたり顎がだるいように感じたりすることがあります。歯科医院で歯を確認してもらうと、奥歯にすり減った跡がありますのですぐに歯ぎしりのために痛みやだるさを感じていると言うことが判明します。歯ぎしり予防のためのマウスピースを作成することで、痛みやだるさを克服することができるでしょう。

 尚、歯ぎしり対策のためにマウスピースを作成することは、素材などに制限はありますが医療保険が適用されます。5000円~1万円ほどの費用で作成することができますので、歯をこれ以上すり減らさないためにも早めに歯科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

気軽に相談できる歯科医院を持とう

 普段、歯科医院に通っていない方にとっては、なかなか気軽に歯科医院に行こうという気持ちになれないかもしれません。本当に歯や歯茎などに問題があるときや内科的治療が必要なとき、精神的な治療が必要なときなど、いずれも早めに診断することで早めに解決することができます。気軽に相談できる歯科医院を持つことで、痛みのない生活を送っていきましょう。

確かな技術で納得の治療を

 ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。


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