歯周病と糖尿病には切っても切れない関係があることをご存知ですか?歯周病も糖尿病も日本ではありふれた生活習慣病であり、私たち誰にとっても「無関係な病気」とは言えません。しかも、どちらの病気も特に初期の段階では症状を出さないことで知られており、気づかないうちに病状が進んでしまっていた!ということは決して珍しくありません。しかし、実は「歯茎の出血」というちょっとしたサインを見逃さないことでこれらの病気に早期に気付くことが可能なのです。
歯周病と糖尿病ってどんな病気?
歯周病は歯を失う原因の第一位となっている病気で、日本人の30歳以上の80%がかかっていると言われています。一方糖尿病は2014年に行われた厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人の割合は、男性で15.5%、女性で9.8%という結果が出ているように、まさに日本における代表的な生活習慣病の一つであると言えます。そして、どちらかの病気にかかってしまうと、もう一方の病気にもかかりやすくなるという相互の関係があることが最近の研究で明らかになっています。
糖尿病とは
糖尿病は様々な合併症を引き起こし、その合併症が恐ろしいことで知られています。具体的には網膜症(視力を失うことがある)、腎症(腎臓がうまく働かなくなり命に関わる)、神経障害(足の感覚が麻痺し、壊しして切断しなければならなくなる)、というようなものがよく知られていますが、この他にも脳梗塞や心筋梗塞なども合併症として起こります。そして、実は歯周病も糖尿病の合併症として数えられています。これは糖尿病で高血糖状態が続くことによって、体の防御反応が低下して感染症にかかりやすくなるため、感染症の一種である歯周病にもかかりやすくなるのです。
歯周病とは
歯周病は歯を支えている組織が破壊されてしまう病気で、進行すると歯を失うだけでなく、歯周病菌が体のあちこちに侵入することで命に関わる様々な病気を引き起こすことでも知られています。糖尿病もその病気の一つであり、歯周病の炎症によって出される炎症性物質が血管の中に入り込んで、血糖をコントロールするインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させてしまうと考えられています。実際に歯周病をしっかりと治療することで、血糖値が改善するという研究結果が多く報告されています。
歯茎の出血を甘くみてはいけない
歯磨きの時に歯茎から出血するというのはほぼ誰でも経験したことがあることでしょう。そのため、歯茎から血が出たからといっていちいちビックリする人もいないかもしれません。この歯茎の出血というのは、歯茎が軽く炎症を起こしただけで起こるものですので、たまに出血しても、ちゃんと磨いて出血が止まるならそれほど心配は要りません。しかし、しょっちゅう歯茎から出血する、という人は要注意です。
歯茎の出血が見られたら疑われること
歯磨きをきちんとしていても歯茎から出血してしまう場合、歯周病による炎症反応が盛んに起こっている状態であると言えます。歯周病が軽度であれば歯磨きだけで治りますが、それでも治らない場合は歯石や落とせない歯垢がたまっていて、細菌が悪さをしていると考えられます。しかし、通常であれば、このような細菌の住処をきちんと取り除くことで歯茎の炎症も落ち着きを見せ、出血も起こらなくなってきます。
一方、糖尿病で血糖値が高い状態だと、歯茎から出血しやすいという症状が見られたり、歯茎が治りにくく、炎症がなかなか落ち着かない、ということが起こります。通常であれば歯石取りなどの適切な歯周病の治療を行えば炎症が治まってくるのですが、血糖値が高い場合にはなかなか治療をしても効果が現れず、赤く腫れたままの出血しやすい歯茎の状態が続くことになります。
そのため、歯茎の出血がなかなか落ち着かない場合にはまず歯周病治療を受け、それでも治らない場合には糖尿病を疑ってみたほうが良い場合があります。歯茎から出血しやすい、という人はひとまず歯医者さんで一度見てもらったほうが良いでしょう。
確かな技術で納得の治療を
ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。