睡眠時無呼吸症候群という言葉を耳にしたことがあると思います。眠っている間に断続的に呼吸が停止し、大きないびきをかくことが特徴ですが、それによって睡眠の質が低下し、日中に強い眠気を感じたりすることで、交通事故を起こす場合があることなどでも問題になっています。しかし、それ以外にも睡眠時無呼吸症候群は放置されることで様々な体の異変を起こし、命を縮めてしまう原因にもなりかねないものです。今回は睡眠時無呼吸症候群について、放置するとなぜよくないのか、その原因や治療法などについて解説します。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群はSAS(sleep apnea syndrome)とも呼ばれている睡眠障害の一種です。眠っている間に気道が閉じたり、狭くなったりすることで呼吸が止まってしまったり、低呼吸になっていびきをかく、というような症状が現れます。大人の1〜6%、小児の2%ほどがかかっていると言われており、55〜60歳くらいに最も多くみられます。
睡眠時無呼吸症候群があるとどんな症状が現れる?
睡眠時無呼吸症候群でよく見られる症状は次のようなものです。当てはまる症状が多ければ睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- 大きないびき(しばらく無音の後、著しく大きな音のいびき)
- 眠っている時に呼吸が止まる
- 夜中によくトイレに行く(夜間頻尿)
- 夜中によく目がさめる
- 寝起きに頭が痛い
- 日中眠くてたまらない
- 集中力の低下
- のどがかわく
- 気分が晴れない、落ち込む(抑うつ状態)
- インポテンツや月経不順
睡眠時無呼吸症候群の合併症
睡眠時無呼吸症候群になると、低酸素血症や高炭酸ガス血症を引き起こし、循環器系などに負担がかかりすぎて、高血圧や不整脈、心筋梗塞や狭心症のような虚血性心疾患、脳血管障害などを起こしやすくなることがわかっており、それが原因で突然しに至ることもあります。またさらには、糖尿病、高脂血症、肥満、自律神経失調症、うつ病というような病気にも関連が深いと言われています。
睡眠時無呼吸症候群の原因・なりやすい人とは?
睡眠時無呼吸症候群の7〜8割の人は肥満であると言われています。また、下のあごが小さかったり、首が太くて短い人にも起こりやすいとされています。その他にもアレルギーがあったり、扁桃腺肥大がある人、喫煙や飲酒をする人、歯並びが悪い(狭い)人、舌の大きい人も睡眠時無呼吸症のリスクが高くなります。
睡眠時無呼吸症候群はどの診療科で診てもらう?
睡眠時無呼吸症候群を疑ったら、まずは睡眠外来のある神経内科や、呼吸器科、耳鼻咽喉科などで相談してみましょう。症状の程度がひどくなければ歯科へ紹介され、就寝時のマウスピースを作製してもらうこともあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、生活を改善する方法、装置や器具を使う方法、手術療法が挙げられます。具体的には次のようなものです。
1.行動療法
喫煙や飲酒が原因になっている可能性が高い場合には、それらを制限するような指導が行われます。
2.減量療法
肥満である場合には、気道周囲の脂肪を減らす必要があるため、減量をするように指導が行われます。
3.CPAP療法
眠っている間に鼻マスクをつけ、専用の機械からチューブで空気を送り出し、気道を広げる治療法です。
4.マウスピース(スリープスプリント)療法
下あごが小さいことが原因の場合に効果的な方法で、スリープスプリントとよばれるマウスピースを使い、眠っている時に下がってしまう下あごを下がらないように固定することで気道が狭くなるのを防ぎます。いびき防止装置とも呼ばれています。CPAPのような特別な装置が必要なく、手軽に行える治療法です。
5.外科手術療法
狭くなった気道を広げるために口蓋扁桃や口蓋垂、軟口蓋というような組織を切除する方法です。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群の治療法をいくつかご紹介しましたが、肥満や喫煙、アルコールが原因である可能性が高い場合、いち早く生活の改善をすることをおすすめします。とくに生活習慣に問題がない場合には、下あごが下がって気道が狭くなっている可能性も考えられるため、歯科でいびき防止のマウスピースを作ってもらうだけでかなりの改善が見られることもあります。体の健康を守るためにも、睡眠時無呼吸症候群と思われる症状のある人は、一度医療機関で相談してみることをお勧めします。
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