歯ぎしりをしていると自覚している人はどのくらいいるでしょうか?歯ぎしりというとギリギリ…と音を立てるものを思い浮かべる人が多いかもしれません。そのため、自分は歯ぎしりなんてしていないと思っている人も多くいます。実は歯ぎしりといっても色々な種類があり、音のしない歯ぎしりもあり、そのような歯ぎしりを含めると、多くの人が歯ぎしりをしていると言われています。歯ぎしりにはどのようなものがあるのか、歯ぎしりの体への悪影響、原因や対策などについてご説明します。
こんなものまで歯ぎしりに含まれる?!歯ぎしりの種類
かつて「歯ぎしり」というと、「歯と歯が強い力でギリギリと音を立ててすり合わされる動作」を意味していました。しかし、現在ではその定義が変わってきており、従来の「歯ぎしり」に加え、噛みしめる動作や静かにすり合わせたり、そっとカチカチやるような動作まで「歯ぎしり」と呼ばれるようになってきました。このような動作をひとくくりにして専門用語では「ブラキシズム」と呼んでおり、次のようなタイプに分けることができます。
■歯ぎしり(ブラキシズム)のタイプ
1.グラインディング(こすりあわせ)
上下の歯を強い力でギリギリ…とこすり合わせる動作で、一般的に「歯ぎしり」と呼ばれているものです。音がするので、家族に指摘されたり、自分でも自覚することができる、気づかれやすい歯ぎしりです。
2.クレンチング(かみしめ)
上下の歯を強い力で食いしばる動作です。音が出ないため自他共に気付きにくく、放置され、害が大きく出やすいタイプの歯ぎしりです。
3.タッピング(カチカチする)
上下の歯をカチカチと軽くあわせるような動作も歯ぎしりの一種です。
歯ぎしりは睡眠時に行う場合と覚醒時(起きている時)に行う場合があり、両者の原因は同じではないと考えられており、それゆえそれぞれに対する対策のアプローチも変わってきます。
歯ぎしりが歯や体に及ぼす悪影響とは
歯ぎしりは誰にでも起こりうるものですが、頻度が高く、持続時間が長いと歯や体に悪い影響を及ぼしてきます。その例として次のようなものが挙げられます。
1.歯の知覚過敏・虫歯
歯が異常に磨り減ったり、歯が欠けてしまったり、細かいヒビが入りやすくなったりするので、虫歯でなくても歯が冷たいものなどでしみるようになります。また、欠けた部分やヒビから細菌が入り込み、虫歯になってしまうこともあります。
2.歯周病
歯の周囲の組織に過剰な負担がかかるため、周囲の骨が吸収し、歯周病が進行しやすくなります。
3.歯の破折
非常に強い力がかかり続けると、歯が割れてしまうことがあります。
4.顎関節症
顎の関節に負担がかかりすぎたり、噛む筋肉が長時間緊張状態となるため、顎の痛みや口が開きにくくなる、顎がだるいというような顎関節症の症状も出やすくなります。
5.顔面痛、頭痛、肩こりなど
噛む筋肉を過度に緊張させてしまうため、慢性的な顔面の痛み、頭痛、肩こり、首の痛みなどを引き起こすことがあります。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりは言ってみれば癖の一種とも言える、無意識で行われるものです。原因は科学的にまだはっきり解明されているわけではありませんが、次のようなものが歯ぎしりの発生に関係していると言われています。
■睡眠時歯ぎしりの原因
睡眠時に歯ぎしりを起こす原因としては複数のものが絡んでいると言われており、ストレス、遺伝、性格、アルコール、喫煙などが歯ぎしりの発生に関係しているとされています。かつて言われていた「噛み合わせの悪さ」という説は現在では否定されつつあります。
■覚醒時歯ぎしりの原因
起きている間に起こる歯ぎしりは、ストレスが絡んでいる場合もありますが、無意識的、意識的に関わらず、癖となって起こっているものと考えられています。
歯ぎしりはこう対策しよう!
覚醒時の歯ぎしりは「歯を合わせない」と自分で意識することで大幅に改善することができます。食事、会話時以外には上下の歯は合わせない、ということを常日頃より意識するようにしましょう。
睡眠時歯ぎしりの場合は、ストレスのコントロール、アルコールやタバコのコントロール、など原因となるものを解決していくようにします。最近では覚醒時の歯ぎしりの癖をなくすことで睡眠時の歯ぎしりも少なくなる、ということが言われていますので、そちらも意識してみると良いでしょう。歯ぎしりが治らない場合には就寝時につけるマウスピースを歯科医院で作ってもらい、歯ぎしりのダメージから歯や顎を守るようにすることをお勧めします。
まとめ
歯ぎしり対策をするかしないかで、歯の健康や体の健康にも違いが出てきます。自分で解決できない場合には歯医者さんに相談してみましょう。
確かな技術で納得の治療を
ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。