皆さんは歯のエナメル質というのをご存知ですか?エナメル質は私たちの歯の一番表側にある普段目に見えている部分のことです。歯を健康に保つためにはまずこのエナメル質に注目したケアに重点を置く必要があります。今回は歯のエナメル質とはどのようなものなのか、エナメル質を健康に保つにはどうすれば良いのか、という点にスポットを当てて解説していきます。
歯のエナメル質とは
歯のエナメル質とは、歯の表面を覆っている一番外側の層で、実は人間の体の中でもっとも硬く、水晶くらいの硬さがあります。エナメル質自体は無色透明で、通常見えている歯の色は、その内側に存在する「象牙質」の色が透けて見えているのです。ちなみに歯根部分にはエナメル質は存在しません。エナメル質の厚さは歯の先端部分がもっとも厚く、2ミリ〜2.5ミリほどあります。
歯のエナメル質の役割
歯のエナメル質のもっとも重要な役割は、歯の神経を様々な刺激から守ることです。そのため、様々な原因でエナメル質に大きなダメージを受けると、防御がうまくできなくなってしまい、歯は急激に弱ってしまいます。
乳歯と永久歯の歯のエナメル質の違い
歯には乳歯と永久歯がありますが、どちらにもエナメル質は存在します。乳歯のエナメル質は結晶粒子がより細かく、エナメル質自体の厚さも1〜2ミリ、と永久歯の約半分の厚みしかありません。また、永久歯よりも水分を多く含み、柔らかいため、細菌に対する抵抗力が弱く虫歯になりやすいという弱点があります。
歯のエナメル質にダメージを与える要因
歯のエナメル質は様々なことが原因でダメージを受けます。エナメル質にダメージを与える要因としては次のようなものがあります。
1.エナメル質を溶かす酸
エナメル質の96%はリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)を中心とする無機質より形成されています。この無機質は強い酸によって溶け出してしまい、その現象を脱灰と呼んでいます。口の中でこの現象が起こる原因として、口の中の虫歯菌が糖分を原料にして作り出す乳酸や、酸性の飲食物や胃液の逆流などによる酸などが挙げられます。
2.異常な噛み合わせの力
歯ぎしりや食いしばりがあると、歯のエナメル質に亀裂が入ったり、歯のエナメル質を異常にすり減らせてしまったりする原因になります。さらにこれらが原因となり、歯の内部に細菌が侵入しやすくなって、虫歯を作る原因となります。また、硬いものを好んで頻繁に食べるような場合にもエナメル質は破壊されやすくなります。
3.強すぎるブラッシング
過剰なブラッシング、力を入れすぎてのブラッシングは歯のエナメル質を傷つけて、すり減らせてしまうことがあります。
歯のエナメル質を健康に保つための方法
1.口の中を酸性にさせない
歯のエナメル質を溶かさないために、間食を控えて口の中を酸性に傾けない、酸性の飲食物を取り過ぎないようにしましょう。また、唾液を多く分泌させることも大切です。唾液は酸によって溶かされ始めた歯の表面を補修してくれる働きがあります。おすすめなのはキシリトールのガムで、唾液の分泌を促しつつ、虫歯菌の活動を弱める働きをしてくれます。
2.正しい方法での歯磨き
酸を作り出す虫歯菌を減らすために、歯磨きをすることはとても大事です。しかし、頻繁にやりすぎたり、力任せにゴシゴシ磨くと、エナメル質に傷つけてしまうため、歯磨きは1日に3回、毎食後に優しい力で磨くようにしましょう。
3.フッ素の活用
フッ素は歯の表面に作用して、「フルオロアパタイト」という構造を作り出し、歯の表面をより強くしてくれます。フッ素入りの歯磨剤やフッ素ジェルを使ったり、歯科医院でフッ素塗布をしてもらったりして、歯を強化しましょう。
4.硬いものを控える
飴や氷などのような硬いものをガリガリ噛んだりすると、歯のエナメル質に亀裂を作る原因になりますので極力控えるようにしましょう。
5.歯ぎしりにはマウスピースで保護
歯ぎしりや食いしばりをしている人は、自分でコントロールが難しいため、歯科医院で就寝時のマウスピースを作ってもらい、装着しましょう。スポーツで食いしばって歯に力がかかる人もスポーツ用のマウスピースの使用について相談してみると良いでしょう。
まとめ
歯を大切に長持ちさせるためには、まずはエナメル質を傷めないことが大切です。ぜひ参考にしてみてください。
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