口を開けると関節から音がする、顎の周囲に痛みがある、というような症状はありませんか?もし心当たりがあるならそれは顎関節症(がくかんせつしょう)かもしれません。生きているうちに約半数の人は経験すると言われているこの顎関節症ですが、ひどくなるとつらい症状を引き起こすこともあります。今回はこの顎関節症について、症状や原因、治療法などについて見ていきたいと思います。
皆様の中にも、「口を大きく開けられなくなった」「顎が痛い」「口を動かすとカクカク音がする」といった経験のある方がいらっしゃるのではないでしょうか? このような顎の症状が出ている状態を「顎関節症」といいます。日本人に非常に多い病気で、特に若い女性に多いと言われています。なんとなく気にはなっていても、時間が経つとなんともなくなっている為放置している人も多いのではないでしょうか?顎関節症は、生活習慣などが非常に深く関わっている病気です。では、どういった病気なのか説明していきましょう。
顎関節症とは?
顎の関節やその周りの筋肉などに「痛みが出る」「音が鳴る」「口が開きにくくなる」といった症状が出ることを顎関節症と呼びます。顎の関節は、耳のあなの前方1センチくらいのところにあり、頭の骨に左右の関節が筋肉や靭帯(じんたい)によってぶら下がっている状態です。この顎関節に負担がかかったり、形が歪んだりしてくると、顎関節症の症状が出てきます。重症になると手術が必要となったり、症状もめまいや痛みなど全身に及び、開口障害により食事の摂取が困難になったり精神的にも影響を受けるなど、日常生活に支障をきたすほどの症状に苦しむ患者さんもいます。女性に多く見られ、10代から発症する人が出始め、20〜30代で医療機関への来院数が最も増えていき、その後は減少していきますが、あらゆる年齢において起こりうるものです。
顎関節症の症状
顎関節症の症状として代表的なものには次のようなものがあります。
1.顎関節から音がする
口を開け閉めする時にカクッというような高い音、ゴリッというような鈍い音がします。これは顎関節の内部にある「関節円板」という組織が開け閉めの際にずれたり、あながあいていたりすることで引き起こされます。
2.顎関節が痛い
口を開け閉めする時に痛んだり、物を噛んだり、顎関節部を圧迫すると痛みを感じます。
3.口が大きく開かない
顎関節症が進んでくると口が大きく開かなくなってきます。これは顎関節内にある関節円板の位置がずれてしまうことで運動範囲が制限されるためです。
4.顎関節周囲の筋肉が痛い
顎関節周囲の咀嚼筋と呼ばれる筋肉の緊張状態が続いたり、炎症を起こすと痛みを出し、その痛みのせいで口が開きづらくなったりします。また、その筋肉痛があたかも歯の痛みのように感じられるケースもあります。
5.他の症状
他にも報告されている症状として、肩や首のコリ、頭痛、耳の痛み、めまいなどが挙げられます。
顎関節症の原因
顎関節症を起こす原因となりうるものとしては次のようなことが考えられています。
■もともとの素因によるもの
もともと顎関節や筋肉が構造的に弱いとかかりやすくなるとされています。
■顎関節への過剰負担
夜間の歯ぎしりがある、日中に上下の歯をぐっと噛み締めたりカチカチ合わせたりする癖がある(TCH=歯列接触癖)、頬杖をつく、うつぶせ寝をする、片方の歯のみで噛む、爪を噛む、管楽器を吹く、というような場合、顎関節への負担が大きくなることで顎関節症を発症しやすくなるとされています。
■噛み合わせの悪さ
噛み合わせが悪いと、噛む筋肉(咀嚼筋)のアンバランスを引き起こしたり、顎関節への負担が増大したりすることで、顎関節症にかかりやすくなると言われています。
■心因性のもの
精神的ストレスが大きいと歯ぎしりや食いしばりなどが増え、顎関節に大きな負担をかけてしまうことにつながります。
顎関節症の治療法
顎関節症の治療には次のような方法があります。
1.歯科医院での治療法
歯科医院で治療が必要と判断された場合、痛みがあればそれを抑える薬が処方されたり、血行促進の目的でレーザー照射をしたり、夜間時に顎関節への負担を軽減させるマウスピースを作製したりします。また、自宅でのケア方法についての指導も行われますが、それらを行っても改善しない場合には専門医での治療が勧められる場合もあります。
2.自分でのケア方法
自宅でのセルフケアは顎関節症を改善する上では必須です。例えば、症状が強い時には「顎関節や筋肉部位を冷やす」「大きく口を開けるのを避ける」「硬いものを食べるのを避ける」「急に口を開閉しない」などを実行します。症状が和らいできたら、「顎関節や筋肉部位を温める」「筋肉のマッサージをする」「筋肉を引き延ばすリハビリをする」「顎関節症を悪化させる生活習慣を改める」などのケアが勧められます。
3.専門医での治療法
病態がひどい場合には専門医での治療が勧められます。状態によっては外科手術が選択される場合もあります。
まとめ
顎関節症は軽度のものまで含めると、多くの人が経験するありふれた症候群であり、一時的に症状を出す程度で自然に治ることも多いことから、実際その中で治療が必要となるものは症状を自覚した人の5%程度と言われています。顎関節症には生活習慣も大きく関わっていることから、もしも顎関節症と思われる症状があれば、まずは顎関節症を起こすような習慣があるならそれをやめてみましょう。もしやめても改善が見られない場合には一度歯科医院で相談することをお勧めします。
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