歯磨きはこまめにしているけどなぜか虫歯や歯周病になってしまう、という人は案外多いものです。特に成人の場合、子供の頃に比べて虫歯はできにくくなってはくるのですが、それにもかかわらず多くの人が虫歯になってしまう部分があります。それは一体どこなのかというと、「奥歯の歯と歯の間」です。この「奥歯の歯と歯の間」というのは、歯ブラシだけではどんなに頑張っても汚れを落としきることが不可能な部分です。そこで活躍するのがデンタルフロスなのですが、正しい磨き方をしないとせっかく使っても効果が半減してしまいます。今回は現役歯科医が正しいデンタルフロスの磨き方を解説していきます。
デンタルフロスを使うときはここに注意!
デンタルフロスは糸状になっている清掃器具で、単に「フロス」とも呼ばれていますが、ただ歯間に入れるだけではいけません。細い糸ですから、ただ入れるだけでは汚れを十分に取りきれないばかりか、無理に入れようとすると、歯ぐきを傷つけて痛い思いをすることになってしまいます。デンタルフロスを使う際には次の3点に特に気をつけましょう。
1.無理やり歯間に押し込まない
歯と歯はぴったりとくっついています。ですから、歯間から無理やり押し込むようにデンタルフロスを入れてしまうと、はずみで歯ぐきに刺さって歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあります。デンタルフロスは決してきつくても無理に押し込まないようにし、ノコギリを引くようにスライドしながら少しずつ入れていくようにしましょう。
2.出し入れは必ず歯に沿わせながら
デンタルフロスはノコギリを引くように通していきますが、一旦糸がきつい部分を通過したら、その後は片方の歯の側面を磨きとるような気持ちで歯に沿わせて、引き続きノコギリを引くように糸を動かしていきましょう。そして、糸を抜き取る際はもう片方の歯の側面に沿わせながら同じように糸を動かしつつ、歯間を通過させましょう。これで歯間についた歯垢もスッキリ取り除くことができます。
3.歯ぐきの溝の中も磨く
健康な歯ぐきにも1ミリくらいの溝があります。歯周病が進むとその溝はもっと深くなります。鏡を見ながら糸がポケットの中まで入っているのを確認し、無理のない範囲で磨きましょう。
現役歯科医が教えるデンタルフロスの奥歯の磨き方のコツ
デンタルフロスは糸まきタイプの場合、40〜50cmほどにカットし、左右の中指に巻きつけて両手の距離が10〜15cmくらいになるようにします。そして、人差し指と親指で糸を操作していきます。前歯だと簡単に操作ができますが、奥歯は前歯に比べて操作が難しく苦戦してしまう人も多いようです。奥歯のデンタルフロスがどうもうまくいかない!という人は次のことを試してみてください。
1.口を大きく開けずにやる
口を大きく開けると、あごの骨や頬の粘膜が邪魔になり、糸を持っている手を歯の外側にうまく入れることができません。口を小さめに開けるようにすれば、スペースができるため、とても入れやすくなります。
2.糸を短くしすぎない
ホルダータイプのデンタルフロスを使う際は、十分にピンと糸を張れるような長さを確保しましょう。短いと滑ってうまく保持できないため、歯間に入れるのが難しくなります。
3.やりにくければホルダー付きのものを使う
デンタルフロスにまだ慣れていない人や、手が不自由であるなどの理由で操作が難しい人はホルダー(柄)のついたデンタルフロスを使うと良いでしょう。
4.一番奥の歯の後ろ側も忘れずに
一番奥の歯の後ろ側にはもちろん歯はありませんが、歯ぐきの溝は存在します。そしてその部分の汚れが原因で虫歯や歯周病になることも多くあります。一番奥の歯の後ろの面は、歯ぐきの溝の中の汚れを意識して取るようにしましょう。
お子さんの奥歯もデンタルフロスを通しましょう
デンタルフロスは大人だけのものではありません。乳歯の段階でも奥歯の歯と歯の間というのはとても虫歯になりやすい場所です。1日に1回、おうちの方がデンタルフロスを通してあげると虫歯予防にとても効果があります。お子さんのお口の中はやりにくい、という場合には子ども用のデンタルフロスがありますのでそちらを使うと良いでしょう。
まとめ
デンタルフロスは使いこなせると非常に高い虫歯・歯周病予防効果を発揮します。もしも使い方に自信がない人は一度歯医者さんで使い方を教えてもらうと良いでしょう。
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