銀歯がポロっと取れた経験のある人はお分かりかもしれませんが、外れた銀歯というのは臭いですよね。このニオイが口臭の原因になっているかもしれないことをご存知でしたか？そしてこのニオイはどこから来ているかというと、銀歯の外側からではなく、内側から来ているのです。それはつまり、歯磨きをしたからといって単純に口臭が消えるわけではない、ということです。なぜ銀歯は臭くなるのか、何か対処法はないかなどについて見ていきましょう。

銀歯が口臭の原因になっていることは実はよくある

　銀歯が口臭の原因になっていることは珍しくありません。これはただの銀歯だけでなく、保険で入れた差し歯にも当てはまります。差し歯の土台やフレームには金属が使われているためです。お口の中に長年入れたままの銀歯はありませんか？もしかしたらその銀歯は臭っているかもしれません！

銀歯が臭くなる３つの理由

　銀歯が他の材料に比べて口臭の原因になりやすいのには次の３つの理由があります。

1.銀歯と歯の間には隙間が存在する

　銀歯を作るには型取りが必要です。銀歯は保険診療であるため、型を取る材料も保険のものを使います。この型取りで見た目上ぴったりと歯に合った銀歯を作ることができますが、保険の材料には限界があり、実はどんなにぴったりに見えても、小さな隙間というのは存在し、細菌はそのような小さな隙間からも侵入して内部で繁殖をしてしまいます。

2.銀歯と歯をくっつけているセメントが溶け出しやすい

　銀歯と歯はセメントと呼ばれる材料でくっつけますが、このセメントは噛み合わせの力で徐々に粉々に砕けてしまったり、唾液に溶け出してしまう性質があります。そのため、銀歯と歯の隙間に細菌が侵入し、増殖してしまいます。　

3.銀歯は変質しやすい

　銀歯は年数が経つにつれ、口の中の唾液や酸で変質してしまいます。そうすると、銀歯表面が粗造になり、その部分に細菌が溜まりやすくなります。

銀歯が原因の口臭に対する対処法

　銀歯による口臭は次のように対処すると良いでしょう。

1.オールセラミックなど口臭の出にくい材料に変える

　オールセラミックのように、口の中でも変質しない、歯となじみの良い材料に変えてしまうのが現在のところ最良の方法だと言えるでしょう。オールセラミックは虫歯ができにくく、金属アレルギーの心配がないという点でも非常にオススメな材料です。

2.定期的な歯医者さんでのクリーニングを欠かさない

　銀歯を取り替えるのは予算的に難しいというような場合、銀歯の周囲に汚れを溜め込まないよう、定期的（できれば３ヶ月から６ヶ月に１回くらい）に、プロによる歯のクリーニングを受けることで、細菌が銀歯の周囲に繁殖するのを極力防ぎ、口臭や虫歯をなるべく予防することができます。

3.銀歯を入れた後も、定期検診に通う

　銀歯を入れた後も、定期的に歯医者に通って、銀歯と歯の間に隙間や虫歯ができていないかを、レントゲン診査も含めてチェックしてもらいましょう。銀歯を入れて「ハイ治療は終わり」で一切歯医者に通わなくなると、そのうち銀歯が外れたり、銀歯の中が虫歯になったりして痛みが出ない限り、その部分は放置状態になってしまいます。

　銀歯と歯との間に細菌がたくさん溜まっても、何も症状を出さないことはとても多いです。特に、神経を取った歯ならなおさらで、どんなに深く虫歯が進んでも何も感じないため、気がついたら口臭どころか、歯そのものを抜かなければならなくなっていた・・というようなこともあるのです。

まとめ

　銀歯の寿命は数年程度と言われています。かぶせる銀歯の場合、１０年以上経つと半数はダメになっているという研究結果もあります。でも、ここでいう「寿命」は銀歯が壊れるという意味ではなく、銀歯が外れてしまったり、銀歯の中に虫歯が発見された年数のことを言います。しかし、実際このようなことが起こる前から、自分では気づかないうちに細菌はじわじわと銀歯の中に入り込み、繁殖し、悪臭を放っているのです。何年も口に銀歯が入っている、という人はこの機会に一度、歯医者さんで銀歯の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。