銀歯が口に入っている人にとって無関係とは言えないのが、銀歯アレルギーです。今、日本人の約3割は何らかのアレルギーを持っていると言われており、その数は厚生労働省の調査でもだんだんと増加しています。そして、銀歯アレルギーも例外ではなく、銀歯を含む歯科用金属のアレルギーの報告も近年、増加傾向にあると言われています。
銀歯アレルギーとは
銀歯アレルギーとは銀歯が原因でアレルギー症状を起こすことを指しますが、これは「歯科金属アレルギー」と同じ意味だと考えてよいでしょう。歯科金属アレルギーは、銀歯に限らず、入れ歯の金具など他の装置によるアレルギーも含みますが、ほぼ同じことです。この銀歯アレルギーはこれまで何十年も銀歯が入っていて、それまで何ともなかったとしても、ある日突然発症することがあります。
銀歯アレルギーは自分で気づきにくい
銀歯アレルギーは、ネックレスやピアスのような金属のアクセサリーによるアレルギーとは違い、触れている部分が赤くなったり痒くなったり、というような分かりやすい症状で出ないことが大きな特徴です。そのため、体に不調が起こっても、それがまさか銀歯アレルギーから来ているとはなかなか気付かれにくいのです。銀歯アレルギーの症状としては次のようなものが挙げられます。
■銀歯アレルギーの症状
1.掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
これは手の平や足の裏に膿をもった袋ができては破け、ただれてしまう、ということを繰り返す病気で、家事もままならなくなったりするほどひどくなることもあります。この病気は銀歯アレルギーとの関連が深いことで知られています。
2.湿疹、アトピーのような症状
銀歯アレルギーが原因で、口とは全く関係ない体の部分に湿疹が繰り返しできたり、アトピーのような症状を出すこともわかってきています。
3.口内炎
銀歯アレルギーが原因となり、口の粘膜に口内炎を繰り返し作ることがあると言われています。
4.口の粘膜が白や赤に変化する
銀歯が触れる口の中の粘膜が白っぽくなったり、赤くなったりすることがありますが、全く症状を感じないことも多いため、自分で気づくことはほとんどありません。
銀歯を入れるメリット
銀歯を入れるメリットとしては次のようなことが挙げられます。
1.銀歯は保険で入れられるので安い
銀歯は保険適用なので、セラミックなどの保険外の材料に比べ、安価で入れることができます。
2.銀歯は壊れることがほとんどない
銀歯は金属ですから、プラスチックやセラミックのように割れたり壊れる、ということがほとんどないため、力がかかる部分でも問題なく対応できます。
銀歯を入れるデメリット
1.銀歯は見た目が悪い
銀歯は場所によっては目立ってしまい、見た目があまり良くありません。
2.銀歯アレルギーが出る可能性がある
銀歯アレルギーがいつか出る可能性があります。
3.銀歯はメタルタトゥーを作ることがある
銀歯の金属イオンが唾液に溶け出すことで、歯ぐきを黒く変色させてしまう「メタルタトゥー」を作ってしまうことがあります。
4.銀歯アレルギーの他にも健康に影響が出る可能性がある
銀歯は、金属イオンが体に蓄積することで、銀歯アレルギー以外にも他の健康被害を起こす可能性も指摘されています。
5.銀歯は虫歯になりやすい
銀歯は錆びたり、接着上の理由より、歯と銀歯の間に細菌が入り込みやすく、虫歯が再発しやすいと言われています。
6.銀歯は口臭の原因になりやすい
5と同じ理由で、細菌が繁殖しやすいことから、口臭の原因となりやすいのもデメリットです。
まとめ
銀歯を入れることはメリットよりデメリットの方が多いことがお分かりいただけたと思います。歯科の銀歯の材料は、口の中という常に湿った環境にあり、食べ物や飲み物などにさらされることで金属が溶け出し、アレルギーだけでなく、健康にとっても問題を起こす可能性すらあるとも言われています。最近では「メタルフリー」と言って金属を全く使わない歯科治療に力を入れている歯科医院も増えていますので、気になる人は相談してみると良いでしょう。
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