永久歯にすべて生え変わる前の段階から始める子供の矯正を小児矯正と言います。矯正治療というのは大人になってからでもできますが、子供の時期に始めることでいろいろと大きなメリットがあります。「歯並びや噛み合わせが気になるなら大人になってからすればいい」と思って放っておくと、顎が大きく変形してしまって、いざ大人になって矯正をしようとしても、矯正治療だけではどうにもならず、外科手術をして顎を切ったりしなければならなくなるケースもあります。しかし、小児矯正をすることでそのようなリスクを最大限に回避することができます。
小児矯正と成人矯正の違い
小児矯正は大人になってから始める成人矯正とは装置、方法などが異なります。大人で矯正が必要な場合、多くの場合顎に歯の生えるスペースが十分にないため歯並びが悪くなってしまっています。そのため、成人矯正ではほとんどの場合において、歯を間引いて(抜いて)、その後歯の表面に装置をつけて並べていきます。
それに対し、小児矯正では、顎の骨の成長を取り外し式の装置で促したり抑えながら、歯をバランス良く健康的な位置に並べていきます(1期治療)。そして永久歯が生え揃った後、治療は終了となることもありますが、必要に応じて歯の並びをさらにきれいに整える治療(2期治療)を行うこともあります。2期治療では成人矯正のように歯の表面に装置をつけて並べる方法を行います。
2期治療まで行うのだったら成人矯正と結局変わらないのでは?と思われるかもしれませんが、小児矯正の場合は、顎の骨を十分に歯が生え切るように広げていますので、成人矯正と違って、ほとんどの場合抜歯をせずに並べることができるのです。
小児矯正のメリットとデメリット
■小児矯正のメリット
・理想的な仕上がりになる
顎の骨の成長を装置でコントロールしながら理想的な位置に歯を並べていくため、健康的で理想的な歯並びになりやすくなります。
・抜歯をせずに済むことが多い
顎の骨を十分に広げるので、並べるスペースを作るための抜歯が必要にならないことがほとんどです。
・食事するときに邪魔にならない
取り外し式の装置だと外して食事をすることになりますので、固定式の装置のように食べにくくなるということがありません。
・虫歯になりにくい
取り外しができる装置の場合、外してブラッシングしますので、装置がついたからといって虫歯になりやすくなることがありません。また、毎月1回、というように定期的に歯科に通うことになりますので、ついでに歯の健康状態もチェックしてもらえて安心です。
・治療費がリーズナブル
小児矯正は一般的に成人矯正よりもリーズナブルです。症例にもよりますが、成人矯正の半額以下で行えることも多いようです。
■小児矯正のデメリット
・本人、親御さんの協力がないとうまくいかない
取り外し式の装置には多くのメリットがありますが、お子さんがつけてくれなかったり、外してしまったり、親御さんが歯科医師の指示通りに調整を行わないと効果が現れません。
小児矯正はいつやる?
小児矯正は1期治療が早くて3歳くらいから永久歯に生えそろうまで、2期治療は永久歯が生えそろった後から行われます。1期治療の開始時期はケースバイケースですが、受け口など、下あごが過度に成長してしまうケースなどではできるだけ早めに治療を開始した方が良いため、検診などで指摘を受けたり、お子さんの歯並びが何かおかしいな?と感じたら歯科医師に相談してみましょう。
まとめ
歯並びというのは見た目のみがクローズアップされがちで、見た目が特に問題ないなら歯並びは個性と捉えて別に矯正は必要ない、と考えている人もいますが、歯並びや噛み合わせは見た目の問題だけではなく、むしろ将来的に歯の寿命や体の健康に大きく関わってくるものです。お子さんの時期に正常な顎の発育を促しつつ矯正治療を受けさせてあげることは、お子さんの人生に大きくプラスになることは間違いないでしょう。
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