こんにちは。キーデンタルクリニック歯科医師の小林保行です。
「最近、口の中がカラカラ」「口臭が気になる」「虫歯になりやすくなった」といったお悩み、ありませんか?もしかするとドライマウス(口腔乾燥症)かもしれません。ドライマウスとは、唾液の分泌が減ることで、口の中の菌が増えて、口臭、虫歯、歯周病、味覚障害、感染症などさまざまなトラブルに見舞われる病気です。800万人の方が、潜在的にドライマウスの可能性があると言われています。しかも、その中のおよそ9割が女性だと言われています。
ドライマウスの原因や症状、対策
1.ドライマウスの原因
1-1 更年期障害
唾液の量は年齢とは関係がないと言われていますが、更年期障害になると唾液が少なくなる方がいます。口の中が乾く感じや歯茎の違和感を訴える方が多いです。
1-2 薬の副作用
自律神経、花粉症、高血圧の薬などの 中に唾液の量を少なくしてしまう副作用があります。
1-3 シェーグレン症候群
自己免疫疾患のひとつで、自分の免疫細胞が唾液腺を攻撃して壊してしまう病気です。そのほかにも涙腺を攻撃するためドライアイやドライマウスなどになってしまう病気です。
1-4 X線治療
がんの治療で放射線を唾液腺に浴びてしまうと、唾液が少なくなってしまいます。がん治療の放射線は強力なため唾液腺が破壊されてしまい唾液の量が少なくなってしまいます。
1-5 糖尿病などの病気
糖尿病、腎不全、脳血管障害などの深刻な病気でドライマウスの症状が出ることがあります。例えば糖尿病の場合、大量に尿が出て脱水症状となり、口やのども渇きやすくなる事があります。
2.ドライマウスによる危険な症状
2-1 口臭が気になってくる
口の中には多くの細菌が住み着いて、細菌が発酵すると口臭が強くなります。唾液には細菌を洗い流す作用があります。唾液が少なくなると細菌を洗い流す力がなくなり、細菌が増殖し、発酵して口臭が強くなります。 2-2 パンやビスケットが食べにくい
2-2 虫歯が増えた
唾液が少なくなると急に虫歯が増えることがあります。唾液には虫歯の原因菌の出す酸を中和する能力があります。唾液が減るとお口の中全体で中和する能力が減るため、虫歯になりやすくなってきます。
2-3 味がおかしい
舌には味を感じる器官の味蕾(みらい)があります。唾液が少なくなると、味蕾が機能しなくなり味を感じる能力が低くなります。
2-4 舌が痛い
唾液が少なくなると舌が擦れ、赤くなり炎症を起こし舌炎という状態になり、舌に痛みを感じるようになることがあります。
2-5 胃腸に負担がかかり、胃腸障害になる
唾液は食べ物を潰して、かたまりにし飲み込みやすい形にします。また、唾液の中にアミラーゼという糖を分解して体に吸収しやすい状態にする酵素が含まれています。唾液が少なくなると、胃腸で全ての食べ物を分解しなくてはならないため、胃腸が悪くなります。
2-6 風邪を引きやすくなる
唾液には口から入ってきた風邪などのウイルスを防御するリゾチームが含まれています。唾液が少なくなると口や喉をウイルスから防御することができなくなり、風邪をひきやすくなります。
2-7 夜起きて水を飲みたくなる
就寝時も唾液が少ないため、お口が渇き頻繁に目が覚め水を飲みたくなる事があります。
3.ドライマウスの対策
では、対処方法はどのようなものがあるのでしょう。
3-1 お酒やタバコをひかえる
大量の飲酒やタバコは、お口の乾燥の原因になります。できる限り控えましょう
3-2 唾液腺をマッサージする
唾液腺をマッサージして、刺激を与え唾液が多く出るようにします。唾液が出る唾液腺は大きなものが3つあります。耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)です。この部分をマッサージすると唾液が多く出やすくなります。
3-3 原因となっている薬があれば変更する
唾液が少なくなりやすい薬が変更可能であれば、主治医に違う薬を処方してもらいます。薬の変更ができない場合もありますので、歯科医と相談の上、紹介状を書いてもらいます。
3-4 ドライマウス用のジェルなどのアイテムを使う
ドライマウス用のジェルを使い、口の中の潤いを保ちます。現在、そういったアイテムは多くの種類があり、スプレータイプ、ジェルタイプなどドラッグストアや通販等で購入可能です。
まとめ
このように対策も幾つかありますが、できる限り自己判断はせず、歯科医院など専門のクリニックで診断してもらってください。ドライマウスは、お口の中だけではなく全身の問題であることもあります。年齢的なものなどとは簡単に考えず、大きな病気の一つの症状であることもありますので、気になったらすぐに歯科医院などで相談してください。
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