こんにちは。キーデンタルクリニック、歯科医師の中村希美です。
みなさんは大人の歯が何本あるかご存知ですか?
意外と知らない歯の本数
正解は…
28~32本
・親知らずがあるかないか
・生まれつき歯の本数が足りない(先天性欠如)
・矯正治療で歯を抜いた
これ以外の場合、上下左右7本ずつ、計28本の永久歯が生えているのが一般的です。
天然の歯を健康な状態で残すことの大切さ
これだけ歯の数があれば1本なくなっても大丈夫なのでは?そう思った方はいらっしゃいますか?
それは大間違いです!
私たち歯科医師は、なるべく歯を削らない、神経を取らない、歯を抜かない、というように、どれだけ天然の歯を健康な状態で残していけるかを第一に考えます。しかし、虫歯や歯周病が進んでしまい、痛みが強い時、歯がぐらぐら揺れている時、歯が割れている時などどうしても歯を抜かないといけない場合も多々あります。そんな時は歯を抜いた後にどのような治療ができるかを患者さんと一緒に考えていきます。
歯を抜いた後放置していたらどうなる?
6~7歳くらいに生え始める前から6番目の歯(第一大臼歯、6歳臼歯)は比較的虫歯になりやすい歯です。まだ上手に歯磨きが出来ない時期に生え始める奥歯なので、生え始めてすぐに虫歯になり、大人になる頃にはすでに何度も治療しているという方も少なくありません。そのため奥歯の中でも下の第一大臼歯を抜かなければいけない状況はよくあります。この第一大臼歯を何らかの理由で抜くことになり、その後長期間放置した場合についてお話します。
歯を抜くと痛みや不具合がなくなるため、そのまま治療に来なくなってしまう患者さんも多くいらっしゃいます。前歯と違って、奥歯が1本なくてもしばらくは何の支障もなく生活ができるかもしれません。見た目にもそれほど影響はないし、反対側で噛めるし、会話もできる…一体何が問題なんでしょう?隣の歯が動いて、抜いた部分のスペースが埋まるからそのままでもいいのでは?こんな声もよく耳にします。しかし、長い間抜いた部分を放置していると様々なトラブルが出てきてしまいます。
お口の中の不具合
1.両隣の歯が動く(倒れてくる)
歯を抜くと1本分の隙間ができます。その隙間に向かって両隣の歯は倒れてきます。
2.噛み合わせている歯が伸びてくる
3.虫歯や歯周病が進行する
4.噛み合わせのバランスが崩れる
5.骨が下がってしまう
この画像はデンタルフラッシュの画像を仕様しています。
お口の周りの不具合
1.筋肉や顎の関節に負担がかかる
2.肩こりや頭痛の原因になる
見た目の不具合
1.抜けたままだと見た目が悪い
2.歯ぐきの位置が下がってくる
3.顔の輪郭が変わってくる
生活面の不具合
1.食べ物がつまりやすくなる
2.変な噛み癖がついてしまう
3.うまく発音できなくなる
4.うまく噛めなくなる
5.胃腸への負担がかかる
6.お食事が楽しくなくなる
7.見た目が気になり、大きく口を開けて笑えなくなる
たった1本の歯がお口の中だけでなく、体全体、日常生活などこんなにも多くのことに次々と影響を及ぼすのです。
倒れてきた歯や、伸びてきた歯を元の位置に戻すのは簡単なことではありません。矯正治療で動いた歯を元の位置に戻すこともできますが、治療期間が長くなったり、噛み合わせのバランスによっては広範囲の治療になることもあります。矯正治療をしないで治すとなると、健康な歯を大きく削らなくてはならなかったり、虫歯ではないのに神経を取らなくてはならないなど周りの歯までも弱くしてしまいます。
まとめ
1本でも歯を失うことはとても残念なことですよね。しかし、その後放置しなければ周りの歯やお口全体への影響は最小限にとどめることができたり、生活への影響も少なくてすむのです。大切な歯を失わないように日頃のケアはとても大切です。もしも歯を抜かなければならなくなった場合も、その後のことをきちんと歯科医師と相談してくださいね。
確かな技術で納得の治療を
ムシバラボを運営するキーデンタルクリニックは、東京の赤坂見附駅から徒歩1分、永田町駅から徒歩3分の歯科医院です。できるだけ抜かない削らない治療を心がけ、痛みの少ない治療方法や先進治療を取り入れることで患者様の負担を軽減するようにしています。良い歯医者さんと巡り会えない方は是非一度、ご来院ください。