こんにちは。キーデンタル歯科医師の小林保行です。

　ごく最近大谷翔平選手も受けた再生療法多血小板血漿療法話題になっています。怪我がつきもののプロスポーツの世界で安全に確実に早く治し、選手を早く復帰させるというのはとても重要なことですよね。現在すでに行われている最新の医療で、この治療によって救われた有名選手が他にも多くいます。今回は、この多血小板血漿療法の中でもPRGF療法（Plasma Richi in Growth Factors）について解説します。

　
　

PRGF療法（Plasma Richi in Growth Factors）とは

　過去にも、C.ロナウドやメッシなど超有名選手や、日本では本田圭佑なども2011年に膝を怪我した時にこのPRGFの治療をうけ早期復帰をはたしています。テニスのラファエル.ナダルも膝の怪我からPRGF治療をうけ約２ヶ月で復帰し見事優勝をはたしました。現在も3人ともすごい活躍ですよね！ナダル選手も最近全仏で優勝しましたし。c.ロナウド、メッシ両選手のW杯の活躍も楽しみですね。そんな彼らを救ったのが、PRGFと言っても過言ではありません。

　このPRGFという再生治療はどのような治療方法かというと、自分の血液に含まれている成長因子を多く含んだ成分をとりだし、傷ついたり欠損した組織に使用することで治癒や再生を促進させる治療方法なんです。スポーツ選手にとっては手術を回避し出来る限り早期に復帰できるということで、スポーツ医学や整形外科の分野では広く知られている治療法です。この治療法が歯科の分野でも使われているんです。

血小板の成長因子によって修復機能を高め、再生を促進 私たちの血液は、血球（赤血球・白血球・血小板）と血漿で構成されています。PRP（多血小板血漿）療法は、血液中に含まれる血小板や白血球などの体細胞の働きを利用する再生医療です。
血小板には、止血作用とともに、成長因子を放出して損傷部分を修復する働きがあります。血小板が放出する成長因子には、細胞増殖や血管の形成などに役立つものが数種類あります。それらが損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によってケガや病気を治療します。

　

歯周病で失われた骨を再生させる‼️

　

　もちろん、歯科の分野でも使われています。歯科の分野では、歯周病などで失われた歯を支えている骨を再生させたり、インプラントをしたいけど骨の量が足りない時に骨を増やし確実に固定させるために使用したり、歯を抜いたところに使用し治癒を早めたりと幅広く使用しています。

　・骨の状態が悪い症例でもインプラントの成功率が高くなる

　骨の質が悪い、骨が薄く少ないなどの条件であってもインプラント治療の成功率が高まります。　移植骨を用いて骨を作る際、移植する骨にPRGFを混ぜるととても強い質の良い骨を作ることが出来ます。さらにインプラント体を入れて行く際に、インプラント体にPRGFを塗布することで強固に固定させることができます。

　歯槽骨の増強に使用する

　サイナスリフトやソケットリフトで上顎洞粘膜（シュナイダー粘膜）を押し上げ、インプラントを装着する部位に補填する治療法にも有効に活用できます。

　インプラントの骨結合や歯茎の治癒を促進す

　血小板は血液中の細胞で血液を固めて出血を止める働きをします。したがって治癒部分に素早く集合して止血機構を始動させます。その血小板をさらに濃縮したPRGFを患部に集合させると、血小板から成長因子が出て飛躍的に回復を早めることができます。　PRGFは自分自身の血小板から生成したものですから安全です。

　術後の腫れが少なく痛みが出にくい

　インプラントや骨再生手術後の痛みや腫れを防ぐ作用がありますので、術語のケアが楽になりました。

　

まとめ

　今まで人工の材料を使用していたものが、完全に自分自身の体内にある成分で治療できるため本当に安心、安全かつ確実に治療できます。

　キーデンタルでも３年ほど前より導入していますが、最初話を聞いた時はかなり半信半疑でした。しかし、実際やってみるとその効果は驚きでした‼️今までの再生療法に比べて本当に手技も簡単で、驚くほどしっかり骨ができるのです。しかも、術後の腫れなどもかなり少なく、患者さん自身もかなり楽だと思います。PRGFの導入で、キーデンタルの治療の幅もかなり広くなったように思います。

　医療も本当に進化しているんだなぁと実感しています。インプラントを骨が足りないと断られた方や、歯周病で悩んでいる方は一度PRGFについて歯科医院で相談してみるといいかもしれませんね。

　

　

　photo by prgf