こんにちは。キーデンタルクリニック歯科医師の中村希美です。
　矯正治療というとどのようなイメージをお持ちですか？小学生や中学生の頃、周りのお友達で矯正をしている子はいませんでしたか？矯正治療は子供の頃にするものと思っている方も多くいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。矯正治療は大人になってからでも遅くはないんです！一言で矯正と言っても子供の矯正と大人の矯正では使う装置や目指すゴールが異なります。今回は大人の矯正治療についてお話します。

矯正治療をしたいな！と思った時が始め時

　矯正治療には特に年齢制限はありません。お口の中の状態によってはできない場合もありますが、大人になってからでは遅いということはありません。「今さらやって意味ありますか？」という相談も受けますが、いまや日本の平均寿命は男女共に80歳を超えています。長い人生の中で、お口の健康がいかに大切か。遅すぎるとご自身で決めつけるのはもったいない！

みんなが矯正を始めた理由

1.見た目

　矯正治療をしたい！と思って来院される患者さんの1番の理由は、「見た目をきれいにしたい。」

・前歯のデコボコが気になる
・八重歯が気になる
・出っ歯を治したい
・歯と歯の隙間をなくしたい
・結婚式前に綺麗にしたい
・職場の人が矯正してきれいになったのを見て触発された
などなど
　長年気にしていた歯並びを綺麗にするために、強い決意を持って治療を開始する方が多いようです。

2.機能性

　次に多いのが、機能面の改善です。

・前歯で噛み切れない
・食べ物がはさまる
・倒れている歯がベロや唇に当たって気になる
などなど
　ご飯を食べる度に不便を感じてしまっては、お食事も楽しくなくなってしまいますよね。お口の中はとても敏感なので、一度気になりだしたら止まらない！なんてことも矯正治療を始めるきっかけになっているようです。

歯科医師が矯正治療を勧める理由

　では、歯科医師が矯正治療をオススメしたい！と思うのはどういう時だと思いますか？矯正なんて一度も考えたことないのに、歯医者に行ったら矯正をすすめられた！という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1.虫歯、歯周病の予防

　歯がきれいに並んでいると歯磨きがしやすい！デコボコしているとどうしても歯ブラシの当たらない部分が出て来て、磨き残しが多くなります。「歯並びがきれいになったら歯磨きがしやすくなるのになぁ、虫歯になりにくくなるのになぁ」というお口の中を見かけることはよくあります。虫歯や歯周病の治療をして、きれいになった状態を保つためにも歯並びの改善は大切です。

2.咬み合わせの改善

　咬み合わせが悪いということを普段意識する方は少ないでしょう。しかし、自分では気づかなくても左右バランスよく歯が当たっていなかったり、負担がかかりすぎている歯があったりと、咬み合わせのバランスが悪くて歯や歯を支える骨に悪影響を及ぼしている場合もあるのです。顎の関節にも負担がかかってしまうとお口が開け辛くなることもあります。矯正治療は理想的な咬み合わせの位置関係を作っていくこともできます。

　顎が痛い、左右バランスよく噛めていないなど不具合を感じている方は一度歯科医院で相談してみてください。

3.自分の歯を守る

　削ってかぶせて短期間で見た目を治す方法もありますが、自分の歯に勝るものはありません。その大切さは失ってからしかわからないことです。歯は削ったり抜くと元に戻ることはありません。なるべくなら健康な歯は健康な状態で守っていきたいですよね。

　でこぼこした歯並びを矯正治療で綺麗に並べていくと、削らなくても見た目をきれいにすることができます。費用や期間はかかったとしても天然の歯を残すことは、その後の体の健康にも大きく関わってきます。

　また、虫歯で歯を抜いた場合、抜いたスペースに歯を入れるには、ブリッジや入れ歯、インプラントを選択することになります。その際部位によっては矯正治療で周りの歯を動かして抜いたスペースを閉じていくこともできます。

まとめ

　矯正治療は見た目がきれいになるのはもちろんのこと、ご自身の歯を守るための大切な治療のひとつです。自分には関係ないと決めつけずに、歯科医院で勧められた時は、ぜひ一度お話を聞いてみてください。